トーク

LLM(大規模言語モデル)を活用した開発においてはPythonが主要なプログラミング言語として広く認知されていますが、TypeScriptにもVercelが開発するOSSのAI SDKという便利なツールキットが存在します。このAI SDKを利用することでTypeScriptでもLLM関連のアプリを比較的簡単に作成できることをお伝えしたいと思います。
本発表では、AI SDKの基本機能から応用事例までを紹介します。AI SDKは、Azure OpenAI、AWS Bedrock、Google CloudのVertexAIなど、多様なベンダーのLLM推論APIの呼び出しを統一的なインターフェースで扱うことが可能です。AI SDKがベンダー間の差異を吸収してくれるため、開発者は使用するLLMを柔軟に切り替えることが容易になります。
さらにUIフレームワーク向けの機能も提供されており、例えばReact向けのuseChat
hooksを利用することでよくあるチャット型のUIを比較的簡単に実現可能です。このようにAI SDKを利用することでフロントエンドとバックエンドをTypeScriptで一貫して開発可能です。
サイボウズでは、実際に社内用チャット型LLMアプリをNext.jsとAI SDKを用いて開発していますので、インフラも含めたアプリの構成例を紹介いたします。
さらに応用事例として、手元のMacBook上で動かすローカルLLM + AI SDKによるオフラインでも動作するChrome拡張機能の作り方も紹介したいと思います。
注:本発表ではプラットフォームとしてのVercelの話はありません

加瀬健太(Kesin11)
サイボウズ株式会社 開発本部 AIやっていきチーム
2023年7月にサイボウズ株式会社に中途入社。開発本部 生産性向上チームにて主に大規模なGitHub Actions セルフホストランナー基盤の運用に従事。 2024年の8月頃から生成AIに興味を持ち始め、2025年1月から開発本部 AIやっていきチームに異動。社内のAI利用の推進、社内用のAIツールの開発・運用、プロダクトのAI機能のR&DなどAI活用の業務に幅広く関わる。 GitHubのchangelogを毎日見るのが趣味。
https://zenn.dev/kesin11