トーク

セッション
TypeScriptとは何であって何でなく、誰のもので、どこへ向かうのか
DAY1 / 16:30 〜 17:00 (トグルルーム)
TypeScriptは特殊なプログラミング言語です。TypeScriptコードをそのまま解釈して実行できる主要な処理系は存在せず、実際には高級な動的型付け言語であるJavaScriptへコンパイルしてから実行されています。
このコンパイル処理は、型に関する構文を取り除くという単純な仕組みであり、TypeScript CompilerやBabel、SWC、esbuild、oxcなど、さまざまなコンパイラ実装が存在します。一方、実際の型チェックは複雑で、現状ではMicrosoftが開発するTypeScript Compiler以外には事実上まともに対応できる実装はありません。
こうした状況の中、Node.jsがTypeScriptを公式にサポートするようになったり、JavaScriptの標準化委員会であるTC39でType Annotationが提案されたり、Biomeなどのリンターがtype-aware lintingの実現に取り組むなど、TypeScriptにまつわる議論が活発化しています。
本セッションでは、こうしたTypeScriptの言語特性を踏まえながらエコシステムの現状を整理し、今後TypeScriptとその周辺がどのように発展し、それが私たちTypeScriptプログラマーにどのような影響を与えるのかを考察します。